帝王切開で出産をすると、どうしても気になるのが「傷あと」
病院の先生には「綺麗に治っている」と言われても、自分で見ると結構目立っていてガッカリしますよね。
帝王切開の傷跡について調べていると
などの意見をみかけることがあります。
この記事では、
- 帝王切開の傷跡がどのように治っていくのか
- ケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)ってなに?
という疑問について、手作り図解をもとに解説していきます。
パッと読むための目次
帝王切開の傷跡が治る過程について
傷跡は「炎症期」「増殖期」「成熟期」を経て治っていきます。
※実際の自分の帝王切開傷跡の写真は、さすがに生々しいので、図解で解説していきます。
画像が見たいという方はコチラに詳しく書いています
帝王切開の傷跡「炎症期」
「炎症期」=帝王切開手術後1日目・2日目・3日目のことを言います。
傷口が閉じるのに伴い、赤い腫れや痛みが生じます。
炎症期は、「ほとんど寝たきり状態」+「動くたびに激痛状態」ですので、自分でお腹の傷口を確認することは、なかなか難しいと思います。
この時期の様子をよく知りたい方は、こちらからどうぞ
帝王切開の傷跡「増殖期」
「増殖期」=術後3日~1週間のことを言います。
新しい細胞(下画像のピンク部分)が増殖して、傷のスペースをどんどん埋めていきます。
この時、赤みや、軽いかゆみが生じます。
増殖期に初めて自分の傷を見ましたが、かなり痛々しくグロテスクでした。
帝王切開の傷跡「成熟期」
「成熟期」=術後3週間~1年の期間の事を言います。
正常な状態では、3ヶ月~1年くらいかけて、細胞の活動が落ち着き、肌の色に近い傷跡になります。
手術後の縫合の真実
実は、日本の医療現場は、病気や治療が最優先で、術後の縫合はなおざりにされている傾向があるそうです。
優秀な外科医でも
というお医者さんが少なくないようで・・・
しかし、縫ってもらった患者としては、長い期間、傷跡と向き合って生きることになります。
帝王切開の傷跡が治る過程で起きる「炎症」
帝王切開の傷跡が目立つ原因は、この「炎症」にあります。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)ってどんな炎症?
帝王切開の傷跡で目立つ原因、そのほとんどがこの「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と言われています。
傷口がもとの傷にそって盛り上がり、赤みや軽いかゆみが生じます。
・赤み
・つっぱりによる痛み
・かゆみ
が帝王切開手術から数カ月たった今でもあるよ
ほとんどの人は、帝王切開手術から2年~5年くらいの時間が経つと、肌の色に近くなり、自然に治るとされています。
ケロイドってどんな炎症?
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)をひどくしたような状態です。
もとの傷の範囲を超えて、赤みと盛り上がりが広がってきます。
ケロイドは、自然に治ることは少なく、強いかゆみや痛みがあります。
肥厚性瘢痕やケロイドになる原因
帝王切開後に肥厚性瘢痕やケロイドなどの炎症がおきるのは、大きく分けると2つの
「体質による原因」
「物理的刺激による原因」
があります。
帝王切開後、傷跡の炎症がおこる「体質による原因」
▼女性ホルモンや高血圧が原因
近年の研究により、女性ホルモンや高血圧がケロイドの重症化に関わっていることが分かってきました。
▼未知の遺伝的因子が原因
まだ、因子は特定できていないようなのですが、ケロイド等の炎症を起こしやすい体質は遺伝する傾向があります。
体質が原因の場合は、予防やケアが難しいとされています。
帝王切開後、傷跡の炎症がおこる「物理的刺激による原因」
▼伸展刺激(しんてんしげき)が原因
傷跡や周辺の皮膚がひっぱられることで、炎症がおこります。
▼摩擦刺激(まさつしげき)が原因
衣類と傷口の擦れによっておこる炎症です。
▼テープを剥がすときの刺激が原因
傷跡を保護しているテープを剥がすときの刺激によって、炎症がおこります。
まとめ
帝王切開の傷跡は「炎症期」「増殖期」「成熟期」を経て治っていきます。
その過程で「炎症」がおこった場合、傷跡がより目立ってしまったり、治るのが遅れたりしてしまいます。
たいていは、年数がたてば自然に治るものですのですが、ケロイド化した場合や炎症がひどい場合、治療が必要な場合もあります。
帝王切開の傷跡の治療には「保険が適応」されます。
主に、皮膚科や形成外科で
- 内服薬
- 外用薬
- 傷跡の圧迫
- 局所注射
上記4種類のどれかによる治療を行うことが出来ますよ。