出産予定日が近づくにつれて、分娩に対する不安な気持ちが高まってくるお母さんが多いと思います。
その気持ちは1度出産を経験したからといって、無くなるわけではありません。
当然、私も2人目出産予定日が近づくにつれて、だんだん不安になりネットで復習がてら調べまくっていました。
その時出てきた「帝王切開」という言葉。
1人目を自然分娩で生み、2人目ももちろん自然分娩の予定でした。
ですので
「帝王切開=腹を切って赤ちゃんを取り出す」
というくらいの知識しかありませんでしたし、詳しく調べようともしませんでした。
しかし、これが後ですごく後悔することになりました。
「私は大丈夫」という過信の気持ちがあると思いますが、誰もが、緊急帝王切開になる可能性があるということを述べておきます。
出産に挑む心構えとして、帝王切開の事を予備知識として知っておいても損はないと思いますよ。
パッと読むための目次
「緊急帝王切開」と「予定帝王切開」の違いは?
帝王切開とは、お母さんのお腹を切り開いて、赤ちゃんを取り出す分娩の方法の事を指します。
経腟分娩(自然分娩)を望んでいても、妊娠中のお母さんの状態や、赤ちゃんの経過によって「帝王切開」を選択せざる得ない場合があります。
また、帝王切開には「緊急」と「予定」2つの種類があります。
緊急帝王切開とは?
妊娠中や分娩中に何らかのトラブルがおこり、お母さんや赤ちゃんが危険と判断された場合、「緊急帝王切開」になります。
誰もがこの「緊急帝王切開」になる可能性を秘めています。
予定帝王切開とは?
最初から出産の方法は、経腟分娩ではなく帝王切開をすると決められているのが「予定帝王切開」です。
帝王切開の経験があったり、赤ちゃんが双子や三つ子、巨大児や逆子だった場合、予定帝王切開になることが多いようです。
なぜ私が!?緊急帝王切開に至った経緯(エピソード体験談)
一人目が経腟分娩だったので、もちろん2人目も下から産む予定で、妊娠中は特にトラブルもなく、逆子でもなく、赤ちゃんの成長経過も順調でした。
しかし、予定日を通り越して41週過ぎても陣痛が来なかったため、人口的に陣痛をおこして赤ちゃんを産む「陣痛促進剤」を使用することが決まりました。
陣痛促進剤が赤ちゃんに合わなかった
最初の1錠「陣痛促進剤」を飲んで30分程経った頃、キューっとお腹を締め付けるような張りの痛みがありました。
しかし
っと、1人目の時に本番の陣痛を経験していたので、まだこれから!っと余裕ぶっていたのですが・・・
突然、私の病室に数名の看護師さんが、慌ただしく入ってきたのです。
赤ちゃんの心拍が下がりました。
どうやら、赤ちゃんの心音モニターを監視してた看護師さんが、赤ちゃんの異変に気付き慌ててやってきたようです。
数分後にお医者さんもやってきて、
と、ここまでが緊急帝王切開に至った経緯です。
私の場合、「陣痛促進剤」が赤ちゃんに合わず、心拍が下がり一時仮死状態になってしまったために、これ以上は危険と判断され「緊急帝王切開」が急遽行われることとなりました。
いきなり「緊急帝王切開」と言われても心がついていかない
緊急帝王切開と告げられた時、私の心の中は
帝王切開ってどうするの?どうすればいいの?
1時間後にお腹切られるって、早くない?
最悪、帝王切開手術中に死ぬかもしれない・・・
よく、
「親は子供の為なら何でもできる」
と言いますし、出産漫画コウノドリ(ドラマ化もした)でも
「赤ちゃんが苦しんでいるなら、お願いします!」
と緊急帝王切開になっても、即決する強い母親が描かれています。
しかし、現実に自分がそうなった時、頭では「赤ちゃんを助けなきゃ」と分かっているのですが、心が全くついていきませんでした。
大きなケガや病気でこれまでに手術を経験したことのない私にとって、いきなり「腹を切る」というハードルは非常に高い試練でした。
震える手で、緊急帝王切開の手術同意書にサインしたのを覚えています。
手術前の緊急帝王切開の流れは?
手術服に着替える | 前開きの病院が用意した服に着替えました |
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長い靴下を履く | 血栓防止用の弾性ストッキングを履きます |
下の毛を剃る | 恥骨の上辺りまで切るので、邪魔な毛を剃られます |
点滴を打つ | 失敗されて2度刺されました |
採血をする | 緊張しすぎて血の巡りが悪く、場所を変えて2度されました |
尿カテーテル挿入 | 点滴や採血よりも挿入される時が、気持ち悪く痛かったです |
麻酔の説明 | 麻酔科の先生が麻酔について詳しく説明してくれます |
また、身に着けている物で、以下の物は外すように指示されました。
時計/ピアス/ピン/かつら/眼鏡/補聴器/マニュキュア・ペディキュア等のネイル/指輪/コンタクトレンズ
私の場合、手術までの時間が1時間しかなかった為、点滴・採血・尿カテーテル挿入を同時にされました。
麻酔の説明の際、アレルギーもチェックされるので、アレルギーがあれば必ず申し出ましょう。
手術直前の緊急帝王切開の流れは?
手術台の上に移動 | 手術台は思っていたよりも狭かったです |
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心電図等取り付け | 体に色々な測定する機械を付けられます |
腰から麻酔挿入 | 全身麻酔ではなく「脊髄くも膜下麻酔」でした |
靴下以外全裸にされる | 靴下のみ履いたまま手術に入ります |
消毒液ぶっかけ | 結構な量の茶色い消毒液をお腹にかけていました |
首から下につい立て | これでもう下は見えません |
脊髄くも膜下麻酔とは
横向きになって背骨の隙間から針を刺し、針の先がくも膜下腔に達したところで麻酔薬を入れ、下半身の神経を一時的(2~3時間)にマヒさせ痛みをとる麻酔で、手術中意識があります。
麻酔は、手術台の上で横になり、お腹を見る感じで丸くなっているところにブスッと刺されます。
かなり痛いのを覚悟していたのですが、腕に点滴針挿入より少し痛いレベルでした。
麻酔を打つとすぐに効果が表れ、最初足先がピリッと痺れたような感じになり、徐々に足先から暖かいものが、ぶわぁーっと上にあがってくる感覚になります。
もうこの時点で、足やお腹に触れられても分からない程、感覚がマヒしてきます。
緊急帝王切開で出産を経験
下半身の色々な所を引っ張られたり、触られたりして、麻酔が完全に効いたのを確認してから手術開始となります。
私の場合は腰から麻酔を入れられて5分後くらいで開始でした。
メスを入られた感覚は、もちろん麻酔のお陰で全く分かりません。
むしろ麻酔で下半身がフワフワ浮いたような感覚で、とても気持ちがいい気分です。
そんな中、ボーっと天井を見つめる事、約10分。
お腹を上からグッと押されたような感覚があり、産声が聞こえてきました。
赤ちゃん誕生です。ついたての向こうからひょっこり顔を見せてくれます。
身体を拭いてからもう一度、今度は赤ちゃんを、顔の横に持ってきてくれて、触らせてくれます。
手術中も手は動かせるので、生まれたてのぷにぷにほっぺをツンツンできます。
赤ちゃんを取り出してから約5分後くらいに、胎盤も取り出されます。
その後、お腹を閉じる作業に入ります。
最後にレントゲンをとっておしまいです。
手術全体としては約1時間程で終了しました。
まとめ
出産する誰もが「緊急帝王切開」になる可能性があります。
予備知識として、「へ~、帝王切開ってこんな感じなんだ」と、分かっていただけたら嬉しいです。
もし、急に帝王切開になっても少し知識があるのと、私の様にほとんど知識がないのでは、手術に対する恐怖の捉え方が違いますからね。
ただ、どんなに下調べをしても、怖いものは怖いですけど(笑)
これから出産に挑むママに、少しでも役に立つ記事であればと思います。
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