もう、5年以上も据え置き価格なんですよ。
「据え置き価格」と聞くと良いイメージが湧いてくるかもしれませんが、今回は
出産育児一時金が、もう5年以上も42万円を維持して据え置き価格
という事です。
5年の間に日本社会では、税金は上がり、給料は下がり・・・
もちろん妊娠・出産費用も上がっています。
特に若い夫婦やカップルにとって、「妊娠・出産・子育て」は金銭面で大きな負担になります。
という疑問をこの記事で追求していきます。
パッと読むための目次
なぜ、出産育児一時金は42万円なの?
厚生労働省がまとめた「全国の平均的な出産費用」によると、
平成23年度:約41万円
平成24年度:約41万円強
となっています。
平成24年度のデータを医療施設種類ごとに見ると
私的病院:43.2万円
診療所(街の産婦人科施設):41.3万円
となっており、厚生労働省曰く
この平成24年度データの公的病院40.6万円に「産科医療保障制度の掛金1.6万円」を加えた、42万円が現在の出産育児一時金の額
とのことです。
分娩に関連して重度脳性麻痺となった赤ちゃんとご家族の経済的負担を補償するとともに、脳性麻痺発症の原因分析を行い、再発・防止に役立つ情報を提供する制度のこと。
でもその平均額、出産費用全額ではない
実は
●室料差額=個室or大部屋
●お祝い膳などの食事代
●おむつ代
●ミルク代
●産着(うぶぎ)代
は含まれていません。
では、実際には全部でどれくらい出産費用がかかってる?
病院・診療所・助産所の合計(全国)の正常分娩による平均値をまとめました。
※平成26年厚生労働省保険局より参照
請求書項目 | 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 |
入院日数 | 6日 | 6日 | 6日 |
入院料 | 108,159円 | 108,849円 | 110,112円 |
室料差額 | 14,084円 | 14,086円 | 14,653円 |
分娩料 | 222,599円 | 226,304円 | 230,920円 |
新生児管理保育料 | 50,642円 | 50,244円 | 50,445円 |
検査・薬剤料 | 11,547円 | 11,604円 | 11,915円 |
処置・手当料 | 13,135円 | 13,167円 | 13,336円 |
産科医療補償制度 | 29,655円 | 29,703円 | 29,672円 |
その他(おむつ代等) | 24,626円 | 24,598円 | 25,324円 |
合計 | 474,446円 | 478,556円 | 486,376円 |
おわかりいただけただろうか…
平成22年度から、出産費用全額で計算すると足りていないことになります。
年々上がる出産費用
では、28年度の出産金額はどうだったのでしょうか。
同じく、病院・診療所・助産所の合計(全国)の正常分娩による平均値です。
※公益社団法人より参照
請求書項目 | 平成28年度 |
入院日数 | 6日 |
入院料 | 112,726円 |
室料差額 | 16,580円 |
分娩料 | 254,180円 |
新生児管理保育料 | 50,621円 |
検査・薬剤料 | 13,124円 |
処置・手当料 | 14,563円 |
産科医療補償制度 | 15,881円 |
その他(おむつ代等) | 28,085円 |
合計 | 505,759円 |
出産費用の合計でみると、平成28年度は50万円越えとなっています。
地域によっても出産費用は違う
地域別にみると
最も高いのが【東京都】62万1千円強
最も安いのが【鳥取県】39万6千円強
となっており、地域によって出産費用は大きく異なります。
※国民健康保険中央会調べ(正常分娩の場合)参照
では、結局いくら追加で準備すればいい?
現在では「直接支払制度」が改善され、出産育児一時金の42万円は、医療機関等で直接支給されるのが一般的となりました。
ですから、平均の合計金額から42万円を引いた額、約10万円くらいを手元に用意しておくと安心です。
地域や、医療機関によって出産料金は変わりますが、一番高い東京都で50万円強の金額なので、10万円くらい自費で支払うことを覚悟した方がいいかもしれませんね。
まとめ
今後、どんどん金銭的に厳しくなる世の中で、このままずっと出産育児一時金が、42万円だと結構厳しいですね。
無駄に使うわけではなく、社会に貢献している(少子化対策)お金なので、今後据え置き価格をやめて引き上げて欲しいものです。