小さな子どもは、なぜか「鼻くそ」が大好きです。
気がついたら鼻に指を突っ込んでホジホジ。
それを丸めて飛ばしたり、擦り付けたり、食べたり、見つめたり・・・
もともと、鼻をほじるクセが無くても、お友達がほじっているのを見てマネする子もいます。
親としては
と見かけたら注意しますが、なかなか治りませんよね。
しかし近年の研究で、「鼻くそほじりは危険である」という事が分かってきました。
子ども大好き「鼻くそほじり」が危険な理由
鼻くそほじりで何が危険かというと、鼻に指を突っ込むことで、鼻腔内に常在している「肺炎球菌」を拡散してしまう可能性があるということです。
肺炎球菌は健康な人でも当たり前に持っている常在菌ですが、抵抗力が弱い5歳未満の子どもが感染すると重症化し、毎年全世界で130万人以上の乳幼児が命を落としています。
日本の国立感染症研究所の調査によると、元気な子どもの肺炎球菌の保菌率は
- 生後4ヵ月で17.3%
- 生後7ヵ月で27.5%
- 生後10ヵ月で36.2%
- 1歳6ヵ月で48.0%
1歳6ヵ月になると、ほぼ2人に1人が肺炎球菌の保菌者になります。
濡れた手での鼻くそほじりが一番危ない
英王立リバプール大学病院の研究者らの実験で、乾いた手と濡れた手で鼻ほじりをした結果、濡れた手のほうが、肺炎球菌はいとも簡単に手から鼻へと感染することがわかりました。
肺炎球菌の感染経路としては、くしゃみや咳を介した「飛沫感染」が一般的に多く知られていましたが、初めて鼻と手が接触するだけで肺炎球菌が広がることがこの研究から判明しました。
肺炎球菌の保菌率のピークは2~3歳
肺炎球菌の保菌率のピークは2~3歳ですが、この時期の子どもに「絶対鼻ほじりをしてはいけない」といっても無理な話です。
ですので、親子で手洗いを心がけ、頻繁に触るおもちゃや備品をできるだけカラッと清潔に保つようにしましょう。
まとめ
鼻ほじりは単に「かっこ悪いから」という理由だけではなく、鼻腔内の肺炎球菌を拡散・感染してしまう恐れがあり、危険です。
声掛けで注意しつつ、徐々に鼻くそほじりの癖をなくしていきましょう。
また、高齢者も感染弱者ですので、祖父母の前で鼻をほじらないよう言い聞かせておくがいいかもしれませんよ。