家事

「はやく」と怒らずに子どもを動かす方法は、意外にも時計にあった。

「はやく食べて!いつまで食べてるの?」

「はやく着替えて」

「はやくお風呂に入って」

など日常的に「はやく、はやく」と子どものことを追い立てていませんか?

ぽとほたる
ぽとほたる
子どもって、なかなか時間通りに動いてくれない・・・

でも実は「はやく」という言葉で子どもを追い立てずに、子どもが時間を守って動けるようになる簡単な方法があります。

それは意外にも「時計」を使うこと。

この記事では、時計を使って「はやく」を言わず子供が時間間隔を身につける方法をご紹介します。

ポイントは「時間の量の見える化」にある!

「はやく」を言わず子どもを動かす方法はとても簡単です。

例えば食べる時間を早くしたい場合、100円均一で卓上アナログ時計を買ってきて、その時計の横に紙に描いた時計の絵、つまり「模擬時計」を貼ってください。

その模擬時計の長い針と短い針は食べ終わる時間にしてください。

そして、子どもに「本物の時計の針が模擬時計の絵のところに来るまでに食べ終わるんだよ」と声掛けするのです。

そして、その2つの時計を子どもの目の前に置きましょう。

目の前にありますから、子どもはご飯を食べながら自然にその2つの時計を見比べることが出来ます。

本物の針がどんどん動いて、食べ終わるまでの残り時間が減っていくのが目の前で分かります。

つまり、残り時間が減っていくスピードがわかり、どれくらい急げばいいかということが実感として分かるのです。

「まだ時間がある」とわかればゆっくり食べることができますし、「あと少ししかない」と分かれば急いで食べることが出来ます。

子供の時間の捉え方

一般的に子どもは大人と比べてはるかに時間管理をするのが苦手です。

「あと5分だよ、わかってる?」と聞くと「うん、わかってる」と答えますが、実はよくわかっていません。

「5分」という言葉の意味は一応理解しているのかもしれませんが、その5分がどれくらい短いのか、自分はどれくらい急げばいいのか、そういうことが分かっていないことが大半です。

子どもは、大人に比べると時間を扱ってきた経験がはるかに少ないので仕方がないことではあるのですが・・・

そしてもう一つは時間という「量」がまったく目に見えない量だということも大きいと思います。

「量」というものはだいたい目に見えるものが多いです。

長さ、広さ、体積など目に見えますし、重さもだいたいの見当がつきます。

でも、時間という「量」はまったく目に見えません。

ですから子どもにとってはとらえどころのない「量」なのです。

何かをするのに必要な時間の全体量も目に見えないし、それがすでにどれくらい減ったかも、残りの量も全然目には見えません。

そこで大切になってくるのが時間の「量」を見えるようにしてあげることです。

「模擬時計」もその見える工夫の一つです。

【応用】模擬時計の使い方

模擬時計は様々な場面で使用することができます。

例えばリビングの壁の大きなアナログ時計の回りに、同じ大きさの模擬時計を4つくらい貼っておきます。

1つは朝の着替えが終わる時間を示していて「着替え完了」というタイトルと服の絵を描きます。

もう一つには入浴の時刻とお風呂のイラストを描いておきます。

残り2つにも同じように時間とイラストを描いておきます。

このようにライフスタイルに合わせて急いで欲しい事は、時間が「見える」ように工夫しましょう。

子ども自身も「もうすぐ○○の時間」と心の準備ができますし、「見えない」時はどんなに時間が過ぎても気にならないのが、時間が「見える」ので完全に無視できなくなります。

大人にも応用可能

実は、大人でも同じようなことが言えます。

会議を行うとき、会議室の時計の横に会議終了の時刻を示す模擬時計を貼って、そこに「会議終了」と描いておきます。

このことにより、会議参加者がみんな時間を無意識に意識するようになり、それぞれが「まだ時間がある。

ここはしっかり話し合うべきだ」「あまり時間がないので、手短に発言しよう」「もうそろそろまとめに入ったほうがいいな」など調節できるようになります。

ですので、会議はぴったりの時間通りに終わることができます。

この模擬時計がなかったときは10分、20分、30分と平気で時間が延びていました。

このように、大人でも時間を「見える」ようにするのと「見えない」のでは大きな違いが出てくるのです。

ですから子ども用だけでなく、自分用にも「掃除」「洗濯」「ごはん作り」「腹筋」など模擬時計を活用してみるのもいいかもしれませんね。

模擬時計使用の際の注意点

「模擬時計の増やしすぎは効果薄」

例えば、1つの時計に対して模擬時計を10個に増やした場合、子どもはどれを見ていいか分からず混乱し、効果が薄くなってしまいます。

模擬時計を複数個に増やしたい場合は、リビングの時計には模擬時計を3つ、玄関の時計には模擬時計を2つなどのように、シーンと場所に分けて工夫して使いましょう。

「デジタル時計よりアナログ時計を使用」

最近はデジタル時計が増えてきて、アナログ時計が1つもない家庭もあるようですが、子育て中はアナログ時計を使用したほうがいいと思います。

できれば、各部屋に1個アナログ時計があるといいでしょう。

そもそも時間という量は、60進法、12進法、24進法が混在したものであり、子どもにとって結構難しいものなのです。

デジタル時計しかなくアナログ時計に親しむ機会が少ないと、この時間の基本構造がなかなか理解できず、苦しむことになります。

結果、時間を読み取ったり、時間を管理したりする能力が育ちにくくなります。

例えば小学校の算数の問題で、

○○駅を午前10時26分に出る電車は△△駅に午後2時32分に着きます。○○駅から△△駅まで何時間何分かかるでしょうか。

という問題が出たときに、かなり苦戦することになります。

その時、家にアナログ時計があれば、日々の生活の中で「午前7時52分に家を出て学校に行って6時間50分後に家に帰るとしたら、帰ってくる時間は何時何分かな?」などと親子で一緒に考える機会を持つことができます。

また、子どもの為を考えると、文字盤の数字がはっきりと読み取れるシンプルなアナログ時計をオススメします。

文字盤にゴチャゴチャした飾りや絵がついていると、子どもは数字を読み取りにくくなります。

模擬時計を作る時も、数字と針が大事で、これらをはっきりと描くようにしてください。

そして、模擬時計はできるだけ本物の時計と同じ大きさにすると分かりやすいと思います。

また、効率的にするために数字だけ描いた模擬時計のものを何枚か作成しておいて、後で針だけを書き込むようにすれば簡単に作ることが出来ます。

まとめ

以上、この「模擬時計」を使用することによって「はやく、はやく」と追い立てられる子どもや、叱ってしまって自己嫌悪に襲われるママやパパが減ると嬉しいです。

この記事を読んで「なるほどー」で終わらずに、是非実践してみてくださいね!

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