職場復帰や産後あらたに働く親にとって、慣らし保育は結構めんどうな期間です。
職場復帰の場合、復帰する前の休みの時期から、慣らし保育をしてくれるならまだいいのですが、保育園によっては、復帰してから(職場復帰初日から)慣らし保育というところが多いようです。
そうなると、せっかく職場に戻ったのに、最初の数日間は時短勤務になります。
という理由から「慣らし保育なし」を選択する方に
をかける考え方についてこれからお話します。
慣らし保育って何のためにするの?
慣らし保育とは、乳幼児が保育園など新しい環境で過ごす際に、一定の期間をかけて1~2時間から徐々に預ける時間をのばしていき、子どもを保育園に慣らしていく制度です。
慣らし保育期間中は、基本的に保護者(パパかママ)のお迎えを原則としている保育園が多く、復帰したてや働き始めの親にとって厳しいのが現実です。
ですので、慣らし保育のない保育園や、慣らし保育をしないという選択をされる方がいますが、2019年2月に以下のようなニュースが発表されました。
内閣府のまとめでは、保育施設に預けられた乳幼児が睡眠中などに突然死亡する「突然死」はおととしまでの10年間に146件報告されています。
このうち事故などのケースを除く43件を、多摩北部医療センター小児科の小保内俊雅部長らの研究グループが分析しました。
その結果、全体の30%が預けはじめから1週間以内のごく初期に起きていて、一カ月以内に起きた突然死は全体の半数に上がっていたのです。
この記事によると、保育園にあずけられた乳幼児のうち、突然死に見舞われる時期としてもっとも多かったのは、入園後1週間以内。
赤ちゃんの時にうつぶせ寝させると、SIDS(乳幼児突然死症候群)になる危険性があるという話はこちらの記事で書きましたが
今回の突然死は、多摩北部医療センター小児科の小保内俊雅部長の研究によると、「ストレス」によるものではないかという見解がでています。
慣らし保育は「突然死を防ぐため」にする
保育園生活は、生まれて数か月・数年の乳幼児にとって、長時間親と離れて過ごす初めての経験になります。
乳幼児は、もちろんですがまだ上手く自分のことを言葉に出来ません。
ですから、保育園に行き環境がいきなり変わってストレスが溜まっても、上手に吐き出すことが苦手です。
大人でも、急に環境が変わるとしんどいと思いますし、心に負担がかかって体調不良やウツ、最悪の場合は自殺まで追い込まれてしまう方もいます。
小さな子ども、自分を上手く表現できない子どもなら、なおさらストレスがかかってしまうことが考えられます。
この事実は、アメリカなど海外でも報告されていますが、まだまだ認知度が低いものです。
親にとって第一に優先すべきは子どもの命
親にとって、子どもの命は仕事よりも優先すべき大切なものです。
ですから、慣らし保育を安易に考えずに、慣らし保育=突然死のリスクから守るため期間と考えて、慣らし保育「なし」は出来るだけ避けるようにしましょう。
慣らし保育への職場の理解
とはいえ、慣らし保育の重要性を職場に理解してもらうのは、今の日本社会ではなかなか難しかったりします。
でも、仕事は他にいくらでもあり替えがききますが、子どもはそういうわけにはいきませんよね。
ここは、職場に嫌な顔をされても「慣らし保育期間」を融通してもらえるよう工夫しましょう。
- 慣らし保育の期間や時期を調べて、あらかじめ職場に知らせておく
- 調整できる業務は調整して、一番負担をかけてしまいそうな人をフォローしておく
まとめ
慣らし保育をすることで、絶対に突然死を防ぐことが出来るというわけではありませんが、リスクを少しでも回避することは出来ます。
安易に「うちの子は慣らし保育なしでも大丈夫」と思わずによく考えて検討してみてください。
ちなみに、別の保育園に移動する時も「預けられる」という事には慣れているかもしれませんが「周りの環境は変わる」ので慣らし保育の期間は必要です。
この記事で、保育園が子どもにとってストレスの溜まる場所、しんどい場所みたいに聞こえてしまうかもしれませんが、そうではありません。
確かに親と離れるのは辛いかもしれませんが、お友達と遊べたり、家でなかなかできない汚れる遊び(泥遊びなど)ができて、たくさんの経験を積むことが出来ます。
ただ、環境がガラリと変わる時は、誰だってしんどいので(特に小さな子どもは)慎重に行動してくださいね!