妊娠・出産

妊婦さん必見!インフルエンザ&胃腸炎(ノロウィルス等)を防ぐ

冬になると流行するインフルエンザや胃腸炎(ノロウィルス等)ですが、妊婦さんがかかると赤ちゃんに悪影響が起きるのでタミフル等の特効薬が使えません。

そのため発症すると非常に大変ですので、日頃から注意すべきことをお伝えします。

実は、妊娠中は「重症化」しやすいんです

日本では毎年のように冬にインフルエンザや感染胃腸炎が流行しています。
妊娠中はお母さんの身体の免疫機構に変化が起きます。

赤ちゃんはお母さんにとっては異物なので、拒絶反応が起きないようウイルス等の外敵を攻撃する免疫細胞が減り「母体の免疫機能の低下」がみられます。

その一方で「母体を守る機能」も働くため、免疫機能が劇的に低下しているわけではありませんが、「インフルエンザや胃腸炎にかかりやすい」と自覚しておいたほうがよいでしょう。

特に妊娠後半になってからインフルエンザに感染すると肺炎などの合併症を起こしやすく、妊娠していない人に比べて、入院リスクが3~5倍になります。

また、妊娠初期につわりがひどく、食事をしてもすぐに吐いてしまうような状態が続くと、脱水気味となり体力が低下してしまいます。

そういった状態の時に、インフルエンザや胃腸炎などに感染すると、重症化して入院が必要になったり、回復が遅くなったりする恐れがありますので、日ごろからの予防が大切です。

インフルエンザの症状と対処法

インフルエンザは38度以上の急な発熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感(けんたいかん)食欲不振などの全身症状が強く出るのが特徴です。

風邪のときと同じように鼻水、せき、腹痛や吐き気、下痢などの症状が出る場合もあります。

インフルエンザウイルスは、赤ちゃんに直接影響を与えることはありません。

ただしお母さんがインフルエンザにかかって重症化すると、流産や早産が起こったり、赤ちゃんが低体重児になったり、まれに死亡してしまったりすることもあるので注意が必要です。

「インフルエンザにかかったかもしれない」と思ったら、内科を受診するのが基本です。
ただ、妊娠後期やおなかの張りや痛みなどがあれば、かかりつけの産婦人科を受診してください。

その際、他の妊婦さんにうつしてしまう恐れがあるので、事前に電話で受診方法などを確認するようにしましょう。

検査でインフルエンザとわかったときには、抗インフルエンザ薬で治療します。

市販の解熱剤や総合感冒薬の使用は、赤ちゃんに悪影響を及ぼす恐れがあるため、使用は控えてください。

療養中は脱水に注意して睡眠をよくとり、安静を保ちましょう。

感染性胃腸炎(ノロウィルス等)にかかってしまった場合

インフルエンザと同じ時期に毎年流行するのが、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎です。
激しい下痢や嘔吐を繰り返すのが特徴で、場合によっては微熱が出ることがあります。

対処法は、妊娠していないときと同じですが、下痢や嘔吐を繰り返すと体内の水分が抜けていきますので、妊娠中は特に脱水症状に気を付けてください。

水分はお茶でも水でもよいのですが、可能ならスポーツドリンクや経口補水液、イオン飲料で水分を補給するようにしましょう。

なお、経口補水液は、冷蔵庫で冷やさず常温のものを摂取したほうが体に吸収されやすくなります。

また、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎のウイルスは胎児に悪影響を及ぼすことはありません。

しかし、感染性胃腸炎に特効薬はないので「整腸剤(ビオフェルミン)などを服用しつつ脱水を防止」しましょう。

ただし、お腹に張りや痛みなどを感じたり出血があれば、かかりつけの産婦人科に連絡して受診すべきか相談しましょう。

予防法について

インフルエンザの予防は、周囲の家族も含めて本格的な流行が始まる前に、インフルエンザワクチン接種をしてください。

ただし、妊娠初期には接種を控えたほうが良いという説もありますので、かかりつけの産婦人科と相談してください。

ワクチン接種後もできるだけ人混みを避け、手洗いとうがい、マスクの着用といった感染症対策をいつも以上にしっかりしましょう。

加湿器などを利用してお部屋の乾燥を防ぐことも効果的です。

感染性胃腸炎を予防するには、食品をしっかり加熱・調理器具をしっかり消毒・部屋を清潔に保つなどの配慮が必要です。

元気な赤ちゃんを産むためにも、十分な休養・睡眠とストレス解消を心がけ、免疫力を高めるように心がけましょう。

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