ステンレスは錆びないから、カトラリーや調理器具、水回りはステンレスがいいよ
と聞いたことはありませんか?
確かにステンレスは、普通の鉄製品と比べると長持ちしますが、絶対に錆びないというわけではありません。
実は、ステンレスと一言でいっても、いろいろな種類があるんです。
この記事では「錆びやすいステンレス」と「錆びにくく長持ちするステンレス」の見分け方をご紹介します。
パッと読むための目次
そもそもステンレスって何?
ステレンレスのもとは「鉄」です。
その鉄を錆びにくくさせるため、クロムやニッケルを添加してつくられる合金のことを「ステンレス」といいます。
鉄にクロムを一定量以上加えると、表面にものすごく薄い膜(不導態被膜)ができます。
ちなみに、この膜、ひっかき傷などで破れても、酸素に触れる環境であればすぐに復活します。
比率によってステンレスの錆びにくさが変わる
ステンレスを錆びにくくさせる、薄い膜(不導態被膜)は、クロムやニッケルが多い方がより錆びにくくなります。
と言いたいところですが、クロムとニッケルを入れすぎると、成型が難しくなったり、値段が高くなったりしてしまいます。
磁石がくっつくかどうかも、錆びにくいステンレスを見分けるポイントです。
家庭用でよく使われているステンレスは主に3種類
家庭用のカトラリーや水回り用品として活躍しているステンレスは、実は3つの種類に分かれています。
18-0ステンレス(別表記:SUS-430)
これは錆びやすいステンレスです。
業務用の調理器具や、給食用のカトラリーなど、大量に同じものが必要な場所でよく使われ、金気(かなけ)と呼ばれる金属の臭いや味がしやすいのが特徴です。
値段はステンレスの中で一番安価で、商品に「ステンレス」「ステンレススティール」しか表記の無いものは、大抵18-0ステンレスが原料になります。
この「18-0」というのはクロムとニッケルの含有量を表すパーセンテージのこと。
クロムが18%:ニッケルが0%のステンレスですという意味です。
簡単にいうとクロムが錆びにくい皮膜を作り、ニッケルがその強度を上げているので、18-0ステンレスは鉄に比べると錆びにくくはなっているけど、膜が弱いので錆びてしまいやすいというわけです。
18-8ステンレス(別表記SUS-304)
18-8ステンレスは、家庭用のカトラリーとして広く一般的に使われています。
18-0では入っていなかった「ニッケル」が8%入ってるので錆びにくく、金気(かなけ)もそんなにしません。
18-8ステンレスから上のクラスは「高級ステンレス」と呼ばれ、カトラリーに限らず商品の原料として使われている場合は「18-8 ステンレス」などと表記されていることが多いです。
ちなみに、上の写真はカトラリー食器で有名な「ラッキーウッド」のスプーンの裏です。
18-10ステンレス(SUS-304L)
18-10ステンレスは、普通に使っていればよほどじゃない限り錆びることはありません。
18-8は体調が悪かったりすると金気(かなけ)を感じることがありますが、18-10だとほぼ感じません。
ちなみに、建築現場などでは、最高級の錆びにくいステンレスのネジが使われていたりします。
まとめ
ステンレスの種類は「18-0」「18-8」「18-10」以外にもたくさんあります。
しかし、外見の見た目ではほとんど分かりません。
錆びにくく長持ちするステンレスを購入するときは、「18-8」やそれ以上の表記がきっちりとされているかを確認しましょう。
そしてもし、お店やお友達の家で出されたカトラリー食器に「18-8」以上の表記を見つけたら、
と心の中で思ってあげて下さい(笑)