妊娠が分かると、子どもが出来たという喜びと共に、押し寄せてくる出産への不安。
特に初めての出産は怖そうと弱気になってしまいますよね。
出産の方法としては大きく分けて2つ「帝王切開」と「自然分娩」があります。
もし出産を選べるとすれば、「帝王切開」と「自然分娩」どちらが痛みが少なく、楽に産めるのでしょうか。
パッと読むための目次
そもそも「帝王切開」と「自然分娩」って?
帝王切開とは
おなかにメスを入れ、子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術です。
通常は1時間ほどで、手術としては比較的簡単で安全とされています。
ただ開腹手術ですので、手術後は10日から2週間ほど入院が必要になります。
何らかの理由で経腟分娩が難しいと判断され、最初から準備して行われる「予定帝王切開」と、お産のトラブルなどで急遽切り替える「緊急帝王切開」があります。
出典 母子衛生研究会
昔ローマ皇帝だったガイウス・ユリウス・カエサルが帝王切開で生まれたから等、様々な俗説がありますが、明確な語源の由来は未だに分かっていないそうです。
また、近年では高齢出産が増えていることもあり、約5人に1人は帝王切開での出産となっています。
自然分娩とは
一般的には、「経膣分娩」の医療処置を行わない分娩の事ですが、産院や医療機関によって、医療処置を行った場合でも、自然分娩とする事があります。
ですので、自然分娩についての定義は明確に決まっていません。
自然分娩は、望んでも全ての妊婦さんができるわけではありません。
逆子や双子などの多胎妊娠やお産の進み具合によっては、母体や赤ちゃんのリスクを回避するため帝王切開しか選択出来ない可能性があります。
帝王切開と自然分娩、出産前の「痛み」を比較
帝王切開の出産前の痛みについて
痛みレベル:
点滴針は太いので、注射が苦手な方は普通に痛いと思います。
麻酔は、手術前に腰から注入されます。そこそこ痛いです。
麻酔後、意識はありますが、胸から下は完全に感覚がマヒします。
痛みレベル:
尿道カテーテルは、挿入後動くたびにチクチクと少し痛くて地味にストレスになります。
自然分娩の出産前の痛みについて
分娩のスタートは、陣痛から始まることが多いですが、おしるしや破水から分娩に繋がるケースもあります。
痛みレベル:
最初は、「生理痛よりちょっと痛いかな~」というレベルの痛みです。
この時期の痛みは、歩いたり食事をすることができます。
陣痛の間隔は10分~15分で徐々に子宮口が広がり始め、陣痛の間隔が短くなります。
それに伴い、痛みレベルも上がっていきます。
痛みレベル:∞
すごく痛いのに、子宮口が全然開いていないという場合があります。
子宮口が開くまでただひたすら陣痛の痛みに耐える苦行が待っています。
帝王切開と自然分娩の出産中(分娩時)の痛みの比較
帝王切開で出産中の痛み
痛みレベル:0
手術時間は平均1時間程度となります。
その間トイレはどうするの?という方はコチラを参照ください。
手術中は、胸から下は麻酔が効いているので切られている感覚などは全く分かりませんし、全然痛くありません。
むしろフワフワと浮いている様な感覚があり、手術室でなければ寝てしまうくらいの気持ちいいレベル。
手術開始10~15分程で赤ちゃんとご対面となります。
赤ちゃんを出す時、上からグッと押される感覚があります。
腕は動かせる為、手術中に生まれたての我が子を触ることも出来ます。
胎盤は、赤ちゃんが出てから約3~5分後に取り出されます。
自然分娩で出産中の痛み
痛みレベル:∞
子宮口が10cmの全開になり、下腹部と腰の痛みが倍増します。
言葉に出来ないほど痛いです。
また、産道に強い圧迫感(いきみたいという気持ち)も加わります。
痛みレベル:
会陰切開は麻酔無しでしましたが、陣痛の痛みが凄すぎて、チクッとした痛みくらいでした。(人によっては痛い人もいるみたいです)
痛みレベル:
胎盤が出てくるときの痛みは、レベル∞を味わった直後なので、比較的痛くなかったように感じます。
本番陣痛の弱いバージョンがくる感じです。
痛みレベル:
産後会陰切開を縫う作業は、麻酔ありで少しチクチクする程度でした。
出産時間の目安は初産婦で12~20時間、経産婦で6時間前後とされています。
一般的に経産婦は1度経験している分、スムーズな出産となることが多い様です。
また、産後は達成感と脱力感が半端ないです。
帝王切開と自然分娩、出産後の痛みの比較
帝王切開の出産後の痛み
人によって異なりますが大体2~5時間ほどで麻酔が切れます。
切れてから2種類の痛みとの格闘となります。
痛みレベル:
切った所が「ザックザック」と心音に合わせて痛みます。
(包丁や鋭利な刃物でざっくりと指を切った時の痛み方です)
痛みレベル:∞
何分かおきに数秒やってくる、子宮を握りつぶされるような痛みです。息が出来ないくらい痛いですが、数秒したらマシになります。
この痛みを術後1日くらいは繰り返し味わいます。痛み止めをもらっても、効いているのか疑いたくなるほど辛かったです。
痛みレベル:∞
術後1日目から、尿道カテーテルを抜かれ、強制的にトイレまで歩く羽目になります。体を少し動かすだけで、意識が飛ぶかと思うくらい痛かったです。
通常2分くらいでいけるトイレに20分くらいかかりました。
自分のトイレもままならない状態ですので、母子同室はかなりきついのです。病院に相談して出来るだけやめてもらいましょう。
痛みレベル:
術後、最低でも3日間は相当の痛みを耐えなければなりません。
お腹の筋肉繊維も切っているので、咳・くしゃみ・笑う等の行為を行う際は地獄の痛みを伴います。
※薬の種類にもよるかもしれませんが、痛み止めが6時間おきにしか飲めない為、時間を調整し考えて服用しましょう。
(例:ぐっすり眠るために寝るタイミングで飲む、来客が来るタイミングに合わせて飲む等)
痛みレベル:
皮膚が引っ張れる感覚があります。
多少チクチクする感じで、想像してたよりも痛くありませんでした。
痛みレベル:
日が経つにつれて、徐々に痛みレベルは下がりますが、地味にずーっと痛い状態が1ヵ月くらいは続きます。
その後も、何かの拍子に痛かったり、押さえると 痛かったりします。産後の回復はかなり遅かったです。
自然分娩の痛み
痛みレベル:
ジンジンと痛いです。
クッションの上に慎重に座らなければ激痛が走ります。
この時期に本当に助かったアイテムがこちら
陰部を直接椅子や床につけると激痛が走ります。
このタイプのクッションが産後の神器です。
痛みレベル:
産後すぐのトイレは、おしっこの出し方が分からなくなる程、感覚がマヒしています。
トイレットペーパーで拭くときも怖くて慎重に拭いていました。
うんちもきばったら股が避けるんじゃないかと、ヒヤヒヤした思い出があります。
痛みレベル:
陰部なので怖いと思いますが、少しチクチクする程度で、さほど痛くありませんでした。
ただ、糸を抜かれるたびに背筋がヒヤッとしました。
ちなみに「溶ける糸」の場合、抜糸はありませんが、会陰を綺麗にくっつけるには普通の糸で縫い抜糸するのが良いそうです。
日が経つにつれて、痛みレベルは下がり退院するころには、ほとんど痛みは無くなっています。産後の回復が早いです。
帝王切開と自然分娩の痛みまとめ
帝王切開は、産後ずーっと痛みが続きます。
自然分娩は、産むときにMAXに痛みに襲われます。
痛みレベルで比較すると、自然分娩の方が一時の痛みはすごいです。
痛みに耐える時間で比較すると、圧倒的に帝王切開の方が長い時間苦しまなければなりません。
1人目に自然分娩、2人目に帝王切開を両方経験した私から言わせてもらうと、「自然分娩」の方が痛みは楽でした。
もちろん、MAX痛みの時はこの世の終わりかと思うほど痛いですが、数時間で必ず終わりがきますので。
赤ちゃんを産んで、そこがゴールではなくスタートなので、産後に痛いのが長く続く「帝王切開」は、かなりしんどかったです。
あくまで、私の個人的な見解なので、賛否両論あると思いますが、もし出産方法を選べるとしたら「帝王切開」は選びません。
よく「帝王切開で産んだ方が楽なんじゃないの?」と経験もしていないのに、無責任に発言する人がいますが、全然そんなことありません。
確かに出産の瞬間は麻酔が効いているので痛みゼロですが、産後がえげつないくらい辛いです。