出産の高齢化にともない、近年、帝王切開での出産が増えているようです。
私も帝王切開する気はなかったのですが、
「さぁ、今から出産!」
という時に、赤ちゃんの心拍が下がってしまい、急遽「緊急帝王切開」での出産となりました。
その時の体験レポートはコチラ
手術室に運ばれる前、義母に
わざと帝王切開を選んで出産する人もいるみたいよ
と言われ、
とホッとした私を地獄のどん底に突き落とした、知られざる産後について、入院中の生活をもとに詳細を生々しく書いていきたいと思います。
義母の様に、一部の人に「帝王切開は楽」と誤解されているようですが、帝王切開は全然楽ではありません。
もちろん、自然分娩も楽ではありません。
というか出産自体が楽ではありません。
そんな事、誰が最初に言い始めたのか知りたいくらいです。
帝王切開と自然分娩の比較記事はコチラ
パッと読むための目次
そもそも帝王切開ってどんな手術?
帝王切開とは、子宮を切開して赤ちゃんを直接取り出す分娩方法の事です。
お母さんもしくは赤ちゃんのトラブル・合併症により経腟分娩(自然分娩)の出産は危険と医師が判断した場合に実施されます。
帝王切開の「縦切り」と「横切り」の違い
おへその下から恥骨の上あたりまで切ります。
皮膚から腹膜までは縦に切りますが、子宮壁は横に切ります。
手術時間が短く、赤ちゃんを早く安全に取り出せるため、緊急時には縦切りになります。
横切りに比べると傷跡が残りやすいと言われています。
おへその下から約10cmほど切られました
皮膚から筋膜までを横に切ります。
その下の腹膜は縦に切り、子宮壁は再び横切りに。
縦に比べて時間がかかるので、トラブルの可能性の低い予定帝王切開分娩の場合に選択されます。
縦切りに比べて、傷跡が目立たなくなると言われています。
縦切開と横切開のどちらを選ぶかは、産科の方針や帝王切開の原因、緊急度などで判断されます。
前置胎盤などで子宮全摘術が必要となるときは、手術野を広くとる必要があるため、縦切開が選ばれることが多いようです。
帝王切開術後の縫合2パターン
まず、自然に溶ける糸で抜糸ができない皮膚の内側の部分、子宮、腹膜、筋膜、腹壁を縫合します。
帝王切開分娩で最も多いのが、この縫合方法です。
ホッチキスの医療版という感じで、時間も早く、針を抜くときも痛みをあまり感じません。
バチン、バチンと10cmの傷の上を十数か所とめられました
糸の場合は抜糸が必要な場合と、表皮より下を溶ける糸で縫い、表皮はテープで留めるだけの美容外科的縫合(真皮埋没縫合)をする場合があります。
美容外科的縫合のほうが傷あとが目立ちにくいのですが、縫合に時間がかかります。
帝王切開後の入院生活は?
帝王切開の場合、自然分娩(経腟分娩)に比べて入院期間が長くなります。
- 自然分娩の場合、産後約5日間
- 帝王切開の場合、産後約9日間
と大体決まっています。
帝王切開術後当日の入院生活について
手術後、2時間程度で麻酔が切れてきます。
最初はチクチクという痛みが、時間がたつにつれてザックザックという痛みに変わってきます。
さらに時間が経つと、子宮収縮の痛みが加わりさらに痛みがバージョンアップします。
切り口の痛みは、包丁で指を切った時の痛みを50倍くらいした痛みです。
子宮収縮の痛みは、何分かおきに数十秒、子宮を思いっきり握りつぶされる痛みで、呼吸するのがやっとなくらい痛いです。
●ベット上で絶対安静となります
尿カテーテルは入ったままなので、トイレに行く必要がありません。
●絶飲食です
点滴で栄養を入れられていますが、お腹はすきます。
●夜は寝れません
痛み止めをもらっても、痛すぎて眠れません。
●赤ちゃんは保育器で観察
初乳を少し飲ませた後、ずっと看護師さんが見てくれていました。
痛みをスマホで何とか紛らわせていました。
帝王切開術後1日目の入院生活
本格的に痛いです。ベットの上でジッとしているだけでも痛いのに、歩行が加わるのでさらに激痛です。
ガーゼ交換
採血検査
尿検査
●午前中、水分をとる
切った所から、飲んだ水が出てくるんじゃないかと心配しましたが大丈夫でした。
●流動食開始
うっすい、うっすい味のお粥(3分粥)を食べました。
座る動作が激痛で食べる気力が沸きません。
●歩行開始
尿カテーテルを抜かれ、強制的にトイレまで歩行します。
めちゃくちゃ痛いです。
その時の様子だけを切り取って、別記事に書いていますので参考にしてください
ここでの痛みが、帝王切開産後一番の痛みだと思います。
初回歩行は危ないので看護師さんが付き添ってくれました。
●蒸しタオルで身体拭き
手術当日はお風呂に入れないので、体を拭かれるのは気持ちいいです。
が、背中を拭いてもらうため横になったりする動作が傷に響き痛いです。
帝王切開術後2日目の入院生活
1日目と同じ痛みです。いつになったら開放されるのかとブルーな気持ちになります。
ガーゼ交換
点滴が外れる
子宮収縮の薬、便秘薬の処方開始
●シャワー開始
傷口は完全防水の透明テープが貼ってありますが、水をかけるのに勇気がいります。
かがむ動作が激痛なので、下の方拭くのが苦労しました。
●5分粥
ドロドロっとしたお粥を食べました。
ご飯しか楽しみが無いのに、美味しくないので泣きそうでした。
●授乳開始
2時間おきに赤ちゃんを連れてきてくれます。
帝王切開術後3日目の入院生活
1日目よりは少しマシという程度で、痛みは強いです。
寝たきりの時間が長いため、腰の同じ位置に負荷がかかり腰痛も加わります。
夜、眠れないくらい腰痛が辛かったです。
普通のご飯が食べられるようになります。
歩行は相変わらず激痛です。
手すりに掴まってヨタヨタと歩いていました。
帝王切開術後4日目の入院生活
3日を越えるとやっと、痛みが山を越えた感じがあります。
しかし、咳やくしゃみ等お腹に力を入れる動作は激痛です。
防水テープがかぶれてきて、テープと皮膚の境目が痒かったです。
帝王切開術後5日目の入院生活
抜鈎がありました。傷口の半分を抜鈎しました。
防水テープが剥がされるため、抜鈎前にシャワーを浴びました。
帝王切開術後6日目の入院生活
5日目に残した分の半分を抜鈎しました。これで、全て抜けました。
シャワーは禁止ですので、蒸しタオルで体を拭きました。
歩行は、手すり無しでもゆっくりと歩けるようになりました。
帝王切開術後7日目の入院生活
抜鈎した傷の状態を確認後、シャワー解禁です。
7日目で帝王切開手術後初めて、傷に直接水をかけます。
水はしみたりしませんでしたが、シャワーを浴びるのにかなり勇気がいります。
帝王切開術後8日目の入院生活
明日、退院しても大丈夫か最終の検診がありました。
歩行は手すり無しで、だいぶ早く歩けるようになりますが、歩くたびに少し痛いです。
帝王切開術後9日目の入院生活
退院
痛み止めについて
痛み止めは、座薬と内服薬の2種類を処方してもらえました。
手術当日と術後1日目は、飲めない、食べれない為「座薬」、帝王切開術後2日目以降は「内服薬」でした。
6時間に1錠服用、1日3錠までですので、1日24時間のうち6時間は痛み止め無しで猛烈な痛みに耐えなければならないので計画的に飲みましょう。
お客さんが来る前
グッと寝たい時の前
シャワーを浴びる前などに飲むと良かったですよー
帝王切開をこれから受けるママへこれだけは言いたい
母子同室は出来るだけ避けるべき
帝王切開は自然分娩に比べると、出産後回復が遅いです。
痛みも産後がピークになりますので、産院で赤ちゃんを見てもらえる間は、見てもらい、自分の傷を治すことに専念しましょう。
家に帰ってからも自分の傷の回復を優先するべき
家に帰ると産後といえど、ゆっくり出来るとは限りませんよね。でも無理に動くと帝王切開の傷に響きます。
・上の子の抱っこ
・重いものを持つこと
・棚の奥の物をとる動作(お腹があたる動作)
・お風呂掃除
・和式便所
・立ったり座ったり
・雨の日
最初から全部頑張ろうとしなくても大丈夫です。
徐々に赤ちゃんのいる生活に慣れていきましょう。