「手足口病」とは?
手足口病(HFMD=hand, foot and mouth disease)、その名前の通り口腔粘膜及び足や手などに現れる水疱性の発疹を主な症状とした「急性ウイルス性感染症」のことです。
日本では1967年頃からその存在が明らかになりました。
コクサッキーA16(CA16)、A6(CA6)、エンテロウイルス71(EV71)などが原因のウイルスです。
4歳くらいまでの乳幼児を中心に夏季に流行がみられる疾患で、2歳以下が半数以上を占めることもあり、まれにですが、成人でも発症することがあります。
また、日本国内でのピークは夏季ですが、秋から冬にかけても多少発生する場合があります。
この記事では、手足口病の症状や対策をご紹介しています。
手足口病ってどんな症状?
手、足、口腔粘膜などへの発しんが主な症状で、かかった子どもの約3分の1は熱が出ますが、予後は良く、大半は数日のうちに治ります。
ただし、「急性髄膜炎」の合併症が時にみられ、まれにですが「急性肺炎」を発症することもあります。
なかでも、「EV71」という種類のウイルスは、中枢神経合併症の発症率が他のウイルスより高いことが知られており注意が必要です。
手足口病の対策について
人から人への感染は主に
- 「くしゃみ」等の飛沫
- 「便」を通じての経口感染
- 水疱内容物からの感染
などが考えられます。
ですので、保育園施設などで特に集団感染が起こりやすいとされています。
ワクチンがないので、予防策としては
●手洗いをきっちりすること
●排泄物の処理をしっかりと行うこと
●おもちゃやタオルを共有せず個人別にすること
などが大切です。
まとめ
現段階で、特効薬はなく対処療法しかないうえ、急性髄膜炎の合併症や、急性肺炎を起こすこともある手足口病。
乳幼児を持つママやパパは、十分に気を配る必要がある病気の一つですので、気を付けて下さい。
同じく気を付けた方が良い感染症
「RSウイルス」感染症とは「呼吸器官感染症」のことで主に発熱、咳、鼻水、頭痛などインフルエンザや風邪によく似た症状で、例年9月頃から患者数が増え始めます。
「RSウイルス」は世界中に分布しており、生後一歳までに「半数以上」が、2歳までには「ほぼ100%」の赤ちゃんが少なくとも1度は感染するとされています。
また、厄介なことに生涯何度も感染を繰り返します。
まれに、重い肺炎・気管支炎を引き起こす可能性があり、生後数週間から数か月に「RSウイルス」に初めて感染した場合は、細気管支炎等が重症化しやすい傾向があります。
また、「低出生体重児」や心肺系に基礎疾患がある場合はさらにリスクが高くなります。
予防ワクチンは現在のところなく、治療も対症療法だけとなっているので注意が必要です。